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Honey ("Raw Honey")


Drugdealer
Label: Mexican Summer
Release: 2019

★★★★★


 「Drugdealer」という芸名からしていい。何か変なの出て来るかも……というWeb検索時の不透明感に耐えられるだけの無謀なクリック力を試される。それはともかく、この「Honey」という曲は、Michael Collins のDrugdealerとしての2ndアルバム『Raw Honey』の2曲目で、コラボレーション常連のWeyes Blood ことNatalie Meringをヴォーカルに迎え、とても滑らかで甘い仕上りとなっている。



 どこを取っても60年代Loveという作品ではあるが、単なる懐古趣味とは片付けられない何か――それが何かは良く分からないが――が耳を惹いた。Beach Boysの「Disney Girls (1957)」(1971)や、Danger Mouse and Sparklehorse feat. Gruff Rhysの「Just War」(2010)も想起させられるが、百戦錬磨で確信犯の彼らとは決定的に何かが違う。あまり分析したくはないが、ひとつには、ピアノコードの四分打ちなど素朴さが魅力となっていることが挙げられ、これは諸刃の剣というか、危ういバランスに違いない。願わくは、この先もずっと、装飾過剰の誘惑から無縁でいられますように……。

 最後に、本作品をリリースしたレーベルのMexican Summerの紹介文を抜粋しておこう。

 それまで楽器を演奏したことはなく、勿論、いかなる公的資格の音楽教育も受けたことはなかったCollinsは、貨物列車でアメリカを横断した後、2009年にサウンドの実験を始めた。(…)
 2013年、Collinsは西海岸に向かい、Los Angelesのアンダーグラウンドシーンにはまった。それから彼はAriel Pink周辺のプレーヤーたちとコラボレーションを始め、ゆっくりとDrugdealerのデビューアルバム『The End of Comedy』となる作品を形作っていった。(…)
  『Raw Honey』では、『The End of Comedy』に引き続いて、Collinsは再び選りすぐりのコラボレーターの一団を率い、Drugdealerの古典的なモダンポップの精神を融合させる。Collins、Sasha Winn(ヴォーカル)、Shags Chamberlain(ベース、プロダクション)の共同制作を土台としたDrugdealerは、バンドというよりも共同体だ。『Raw Honey』には、Josh Da Costa(ドラム)、Jackson MacIntosh(ギター)、Danny Garcia(ギター)、Michael Long(リードギター)とBenjamin Schwab(バッキングヴォーカル、ギター、オルガン、ピアノ、Wurlitzer)が参加、またゲストヴォーカルには、カントリーバラード歌手Dougie Poole(「Wild Motion」(訳注:7曲目))、Harley Hill-Richmond(「Lonely」(訳注:3曲目))、そして、蜜のように滑らかな曲「Honey」に舞い上がらず、ダルセットの調べで低く歌い切る常連のNatalie Mering(Weyes Blood)が参加している。
  『Raw Honey』の至るところで、Collinsと仲間たちは、我々が共有する音楽史を彩った幾千のタペストリーから、繊維を再利用して新しいタペストリーを織り、彼らの受けた影響を披露している。(…)


U.U.